阪神 梅野の苦悩


阪神タイガース 梅野隆太郎
 2013年ドラフト4位入団。173cm、77 kg、大卒2年目。2014年のルーキーイヤーは92試合に出場、打率.197、7本塁打、21打点。シーズン序盤からレギュラー捕手として86試合に起用された。盗塁阻止率は.263で特別良くはないけどルーキーとしては悪くない。特筆すべきは捕手としての規定試合数(全試合の半分)に出場した捕手の中で唯一捕逸と判定されるプレ-が0であった事。打率が低い、勝負のかかった後半戦で出場機会が減った等マイナス面があったものの、ルーキーとしては十分な働きであった。

 2015年、開幕からレギュラー捕手を務め開幕4連勝に貢献し、このままレギュラー捕手の座をつかむのかと思いきや、チーム成績が低迷するにしたがって徐々に出場機会を減らし2軍落ち。もどってきてからすぐにスタメン捕手に起用されたものの、その試合で投手が打たれてしまい2軍落ち。この時、試合中にベンチで和田監督にしかられる様子がTV中継で映し出される。そしてこの8月、先日からのヤクルト戦を前に再び1軍昇格を果たしたもののスタメンでは出番無く、交代で出場した先日の試合で投手が5失点をしてしまう。ちなみにここまでの打撃成績は37試合出場、打率.232、3本塁打、11打点。

以上、経歴。

※記事内容に想像の部分も多分に含みます

 どうも梅野には投手を炎上させるというイメージがファンの間でついてしまっている。梅野のリードで何が悪いのかというのは俺にはさっぱり判らないんだが、例えば8/15の終盤8回にヤクルトに5点取られたシーンを見ると、打たれたのはどれもこれもコースが甘い。高低でいうと中にはきっちり低めにきている球もあるんだが、いかんせんコースがベースの真ん中付近に集まっているように見える。15日の試合はそれを狙い打たれてたかのようなつるべ打ちだった。相手がセリーグ最強のヤクルト打線だったのは運がないとこかもしれん。

 ただ、いかに梅野のリードが未熟とは言え、コースを真ん中に投げさせる事なんてあろうはずがなく、そのとおり梅野のキャッチャーミットはストライクの隅のほうで構えている。つまり投手がそこへコントロールをつけれていないという事なんじゃなかろうか。考えてみればタイガースの投手陣にはコントロールがいいといえるピッチャーがベテランの福原以外で思い浮かばない。

 打たれた責任は全て投手にあるような書き方をしてしまったが、コントロールの悪いピッチャーでもうまくリードするのが捕手としての一つの能力であるので、打たれた責任は必ず捕手にも及ぶ。往年の古田なんかは石井一をはじめ、コントロールの悪いピッチャーでも上手くリードしてた”イメージ”があるが、この時点での梅野にそれを求めるのは酷だろう。

 こういうリード術みたいなものは2軍では身に付かないのかなと思う。2軍の試合は所詮1軍にあがるためのステップにすぎないから、1軍の試合ではありえないようなある意味ギャンブル的、ある意味個人プレーをする事だってあるだろう。加えて当然のことながら選手のレベルは1軍のほうが高い。2軍で経験した事をそのまま1軍の試合へ持ち込んだらそりゃ思惑通りにいくはずが無い。変な経験はむしろ邪魔。だから一流の捕手にしようとするなら1軍で育てるのがいい…と思うんだけどどうだろうか。

 梅野にとっては不幸なのかタイガースは去年も今年も一応上位争いをしているので、どうしても育成より結果を求める事になりベテランの鶴岡や藤井を起用する事になっている。

 これは本当に想像の範疇なんだが、梅野にとってもう一つ不幸だったのは投手コーチとバッテリーコーチの力関係なのではなかろうか。投手コーチ中西53歳、山口65歳に対し、バッテリーコーチ山田は46歳。年齢だけでなく中西は選手時代も含めタイガース一筋で、コーチ経験も長くタイガースで優勝争いを何度も経験しているのに対し、山田はタイガース出身ながら日本ハムへ移籍している点。この両者が対立する意見を持てば和田監督がどちらを採用するか。バッテリーコーチの山田としては当然一人前のレギュラー捕手を育てたいに決まっているし、投手コーチは当然投手が打たれないような要求をする。こんな時に投手、あるいは捕手の経験のある監督なら自らの選手時代の経験から判断できるのだろうが、ただの二塁手だった和田に信念をもって判断できるか非常に疑問である。

 かつてダイエーホークスで工藤が城島を育て、その城島が杉内を育てたようないい流れが今のタイガースには感じられない。捕手を育成できる投手がいまのタイガースには思い当たらない。それは他の投手にも協力させる事の出来るベテランじゃないとダメだし、、、しいて言うと岩田か福原くらいか。能見なんて逆に梅野以外の捕手と組ませて欲しいと言ったとか言わなかったとか。所詮、選手は個人事業主だから他人に甘える事はできないんだけど、若い一人前のレギュラー捕手が育てば、90年代の古田(ヤクルト)や00年代の阿部(巨人)のようにチームの黄金期だって期待できる。残念ながらチーム全体としての成長を考えられる選手が今のタイガースにはいない。

 俺が思うにこれは梅野だけの問題ではなく、これからタイガースに入ってくるレギュラー候補の捕手全員に当てはまる事。小宮山、清水、岡崎、小豆畑etcと他にも2軍暮らしのキャッチャーは沢山いるけど、このままだと梅野だってその中に入ってしまいかねない。また同じ事を繰り返すだけになってしまう。本当に本気でレギュラー捕手を育成しないとダメだと思う。だから梅野を使って欲しい。優勝とかCS進出とかしなくていいからさ。


 ちなみに今ファンの間では梅野、鶴岡、藤井の長所短所はこう見られているようだ。

・梅野…長所バッティング、短所リード
・鶴岡…長所リード、短所キャッチング
・藤井…長所キャッチング、短所肩、足

。 

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