五輪エンブレム問題

 東京オリンピックのエンブレムに正式決定したものが、ベルギーのリエージュ劇場のロゴと酷似しているとデザイナーから指摘され、オリビエ・ドゥビ氏がIOCを相手に使用停止を求める訴えをしていた。

 そして昨日使用中止を決定。

 中止発表の会見でなかなかはっきりとは言わなかったが使用中止の理由は、エンブレムは模倣されたものではないが国民の理解が得られにくい原作者として佐野氏から取り下げたいと申し出があった、というものらしい。後者のさらなる理由としては、佐野氏が自身や周りの人間にたいする誹謗中傷に耐えられなかったという事らしい。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150901-00003623-bengocom-soci

 取り下げの経緯はともかくとして、模倣や盗用でないならなんで最後まで争わなかったんだろうと思ったが、佐野氏の周りの人間にまで被害が及んでいたのか。そもそもこのエンブレムはまだ模倣や盗用されたものと決まったわけではないのに佐野氏本人はもちろん、周りの人間にまで誹謗中傷をするとはなかなかひどく陰湿な日本人もいるものだな。ほかの作品で模倣を認めたからと言って、この五輪エンブレムがそうであるとは限らない。俺はこの件に関して模倣を訴えた方と徹底して争ってもらいたかったが、大会組織委員会が佐野氏(および周囲の人間)を守り切れなかったのは残念である。トカゲのしっぽ切りというような気がするね。

 オリンピックという重大事の象徴であるエンブレム。それを選定するのだから選ぶ時点でもっと慎重に調査をすることができなかったんだろうか。その作品のみならず、デザイナー個人の事まで。ただなぁ、俺なんかそんなデザイナー個人の過去の事なんてどうでもよくて、エンブレムさえ出来が良かったら問題ないと思うんだがね。佐野氏デザインのものが格好悪いというコメントもよく見るけど、俺は特に悪いとは思わない。悪いと思うならそいつが代案を出してみろとそういう感想だ。どんなものをだしてもどこかしらから俺の作品に似ている!などと言われるんじゃないか??

脇が甘い

 問題はそれを、金かなんらかの力で抑え込めるかどうかというところじゃないだろうかね。2008北京オリンピックになぜいろんな批判が出たかというと、情報を操作する力(=運営力)が未熟でいわゆる裏の部分を隠せなかったからだ。ほかの大会にだって同じような事はあっただろうけど、国をあげて抑え込んでたから表ざたにはならなかった。これと同じ。真実を知れば自国民ですら納得しないだろうが、そこは報道される情報を制限することで批判されないような運営をする。情報操作だの統制だのというのは何も中国や北朝鮮のような国だけがやってるわけじゃない。是か非かというのは置いておいてね。

 だから、俺は今回のエンブレムの件において日本のオリンピック組織委員会の運営力のなさが露呈されたと考えている。言ってしまえば今回の一件の原因はそこだ。一度露呈すれば海外メディアの格好の餌食になる危険性があるね。エンブレム使用中止の責任をどうこう揉めるより、”運営力”の強化をした方がいい。


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