■有馬記念’17
1着キタサンブラック 2.33.6
2着クイーンズリング
3着シュヴァルグラン
4着スワーヴリチャード
5着ルージュバック
---------------------------------------
13着サトノクラウン
キタサンブラックの引退レースである。レースは好スタートから先頭を楽々と走る1番人気のキタサンブラックが1000m通過が61秒を少し超える若干のスローペース。スワーヴリチャードはで負けして後方からになってしまった。縦長にはならず一団の競馬。ハロンタイムは以下の通り。
6.8 - 11.6 - 11.9 - 12.2 - 12.3 - 13.3 - 13.2 - 12.8 - 12.2 - 12.1 - 11.7 - 11.2 - 12.3
スタートダッシュから中盤にかけてペースをぐっと落とし、他の馬が仕掛ける前に仕掛けて楽々の逃げ切り。そんなペースである。他の馬は全く仕掛けてこず、キタサンブラックと武豊の思惑通りに運んだ。直線で一瞬だけスワーヴが勢いよく上がってきてブラックに並びかけるかと思われたが、内にささる癖を出してしまい失速。
1着キタサンブラック
この馬のこのレースに関しては何一つ文句をつけるところがないだろう。レース自体はスローの逃げ切りという非常につまらないものであったが、その原因は他の馬にあるのである。ゴール時の着差は1馬身1/2だが、迫られたらもう少し伸びそうなくらいの余裕はあった。ブラック陣営は有馬記念が取りたかったんだろうか、ジャパンカップの連覇の方が価値があると思ってたが、パドックで見る限りすごくいい感じの馬体に見えた。
これで引退となるのが残念である。それでもジャパンカップを見る限り少し衰えはあるのかなと思わなくもなかった(落鉄あってももう少し粘っていいんじゃないかと)。今年G1を6戦して4勝、年度代表馬は有馬記念の結果にかかわらず確定していた。中長距離路線で1年間にG1を4勝というと、ナリタブライアンやテイエムオペラオーくらいしか思い当たらない。逃げ/先行脚質なので常にマークされる立場でこの結果を残したという事からもすごい名馬である。一年半以上ずっと主役を張ってきたこの馬の変わりは今のところ見当たらない。先行力があるG1級の馬も見当たらない。
2着クイーンズリング
道中はやや前目の位置取りから、最終コーナー手前で先行する馬の直後といういい位置をキープできた。このあたりは騎手の腕のおかげだろうが、直線は意外なほど伸びたというか、追い比べて負けなかったね。スタミナ面はスローペースなことで少し有利に働いたかもしれないが、スピード能力は高そうな馬である。2着という結果は位置取りによるものだと思う。
3着シュヴァルグラン
直線、ジャパンカップほどではないにせよ2番手争いから抜け出そう…なところで接触して少し首が上がってしまった。確かにこれがなければ2着はあったと思うが、ブラックに届いたかどうかと聞かれると無理だと思う。上がりタイムは34.8で全体の2番目。この秋、一番充実期を迎えたのは間違いなくこのシュヴァルグランだと思う。そう、去年のキタサンブラックのように。この馬にもう少し先行力があればキタサンブラックも楽な競馬はできなかった。
4着スワーヴリチャード
外枠を引いてしまった不運と、出遅れというほど大きなものではなかったが少し出負けをして後方からになってしまった不運。やはり今日みたいなスローペースから逃げ馬のロングスパートを食らってしまうと、追い上げるのは難しい。ブラックをかわすには直線入り口で並びかけるくらいの位置(このレースでいうとクイーンズリングの位置)でないとダメだ。仕掛けどころの4コーナーで上がっていく所など反応はいいんだが、いかんせん直線でそこまでキレない、伸びない。内にささってしまい、せっかく馬場のいい場所を走っていたのにこれではただコーナーで外を回って距離をロスしただけになってしまった。陣営が内枠を希望していたのが良くわかる馬の癖である。
まとめ。
それにしてもキタサンブラックに誰も仕掛けていかないのは見ている方としてつまらないの一言である。最初からキタサンブラックが勝つように仕向けられていたといわれても仕方がない。レースとしては凡レースだったね。これは大いに批判されるべき事柄だろう。お行儀が良すぎる。逆に武豊が絶妙な仕掛けでロングスパートしたとも言えるね。
もう一点、直線で内のクイーンズリングが外へ、外のスワーヴリチャードが内へ刺さってしまったために、その中にいたトーセンビクトリー、サクラアンプルール、シュヴァルグランの3頭が大きな不利を受けた。だが、降着や失格はなし。これは制度がそうなっているから。被害の程度よりも着順に影響があったかどうかというのを採決委員が判断し決定を下す。3年ほど前に海外の競馬先進国の基準に添ったものに変わった。そこでこの不利があったとしても着順には影響なかったという判断が出たんだろう。これについてはなんの文句もないし、勝負事である以上チャンスがあるなら多少のラフプレーもあってしかるべきであり、加害馬鞍上のルメールやデムーロは全力でやった結果だと思う。
■来年に向けて
今年の年度代表馬はG1を4勝のキタサンブラック以外にない。むしろ他に票を入れている記者がいたら、即刻競馬記者をやめるべきだ。アホとしかいいようがない。ずっと主役を張ってきた馬が抜けるわけだが、この空いた空間を埋めるような馬がちょっと見当たらないのが残念である。
現3歳勢では、ジャパンカップ2着のレイデオロは今年たった4走しかしていない上、菊花賞を走っていないので当然天皇賞春には出ないだろう。同世代のダービー2着スワーヴリチャードやダービー3着のアドミラブルは相当素質は高いと思うが、残念ならがまだG1を勝っていない。スワーヴリチャードは内枠に入った時が勝負だな。アドミラブルは故障明けで、ダービーで見せた異次元の末脚をまだ失っていないか復帰緒戦が注目である。牝馬はというとソウルスターリングが秋3戦すべて期待外れだったし、あとはモズクがどうなるかだが荷が重そう。かつてのジェンティルドンナのような期待馬はいない。
現古馬勢はというと、キタサンブラックに勝利したことのあるシュヴァルグラン、サトノクラウン、サトノダイヤモンドあたりになるのか。どれもやはり主役がいてこそ輝ける脇役という感じ。唯一サトノダイヤモンドなや再び輝きを取り戻して主役にと思わなくもないが、海外にいったツケはどうなのか、来年初戦の大阪杯を見てみないとわからない。昨年のダービー馬マカヒキは故障で論外。
というところで来年は群雄割拠か、あるいはサトノダイヤモンドが複数勝つかという予想である。当たり前かもしれないが、例年以上にそれぞれの春緒戦が注目されそうだ。
1着キタサンブラック 2.33.6
2着クイーンズリング
3着シュヴァルグラン
4着スワーヴリチャード
5着ルージュバック
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13着サトノクラウン
キタサンブラックの引退レースである。レースは好スタートから先頭を楽々と走る1番人気のキタサンブラックが1000m通過が61秒を少し超える若干のスローペース。スワーヴリチャードはで負けして後方からになってしまった。縦長にはならず一団の競馬。ハロンタイムは以下の通り。
6.8 - 11.6 - 11.9 - 12.2 - 12.3 - 13.3 - 13.2 - 12.8 - 12.2 - 12.1 - 11.7 - 11.2 - 12.3
スタートダッシュから中盤にかけてペースをぐっと落とし、他の馬が仕掛ける前に仕掛けて楽々の逃げ切り。そんなペースである。他の馬は全く仕掛けてこず、キタサンブラックと武豊の思惑通りに運んだ。直線で一瞬だけスワーヴが勢いよく上がってきてブラックに並びかけるかと思われたが、内にささる癖を出してしまい失速。
1着キタサンブラック
この馬のこのレースに関しては何一つ文句をつけるところがないだろう。レース自体はスローの逃げ切りという非常につまらないものであったが、その原因は他の馬にあるのである。ゴール時の着差は1馬身1/2だが、迫られたらもう少し伸びそうなくらいの余裕はあった。ブラック陣営は有馬記念が取りたかったんだろうか、ジャパンカップの連覇の方が価値があると思ってたが、パドックで見る限りすごくいい感じの馬体に見えた。
これで引退となるのが残念である。それでもジャパンカップを見る限り少し衰えはあるのかなと思わなくもなかった(落鉄あってももう少し粘っていいんじゃないかと)。今年G1を6戦して4勝、年度代表馬は有馬記念の結果にかかわらず確定していた。中長距離路線で1年間にG1を4勝というと、ナリタブライアンやテイエムオペラオーくらいしか思い当たらない。逃げ/先行脚質なので常にマークされる立場でこの結果を残したという事からもすごい名馬である。一年半以上ずっと主役を張ってきたこの馬の変わりは今のところ見当たらない。先行力があるG1級の馬も見当たらない。
2着クイーンズリング
道中はやや前目の位置取りから、最終コーナー手前で先行する馬の直後といういい位置をキープできた。このあたりは騎手の腕のおかげだろうが、直線は意外なほど伸びたというか、追い比べて負けなかったね。スタミナ面はスローペースなことで少し有利に働いたかもしれないが、スピード能力は高そうな馬である。2着という結果は位置取りによるものだと思う。
3着シュヴァルグラン
直線、ジャパンカップほどではないにせよ2番手争いから抜け出そう…なところで接触して少し首が上がってしまった。確かにこれがなければ2着はあったと思うが、ブラックに届いたかどうかと聞かれると無理だと思う。上がりタイムは34.8で全体の2番目。この秋、一番充実期を迎えたのは間違いなくこのシュヴァルグランだと思う。そう、去年のキタサンブラックのように。この馬にもう少し先行力があればキタサンブラックも楽な競馬はできなかった。
4着スワーヴリチャード
外枠を引いてしまった不運と、出遅れというほど大きなものではなかったが少し出負けをして後方からになってしまった不運。やはり今日みたいなスローペースから逃げ馬のロングスパートを食らってしまうと、追い上げるのは難しい。ブラックをかわすには直線入り口で並びかけるくらいの位置(このレースでいうとクイーンズリングの位置)でないとダメだ。仕掛けどころの4コーナーで上がっていく所など反応はいいんだが、いかんせん直線でそこまでキレない、伸びない。内にささってしまい、せっかく馬場のいい場所を走っていたのにこれではただコーナーで外を回って距離をロスしただけになってしまった。陣営が内枠を希望していたのが良くわかる馬の癖である。
まとめ。
それにしてもキタサンブラックに誰も仕掛けていかないのは見ている方としてつまらないの一言である。最初からキタサンブラックが勝つように仕向けられていたといわれても仕方がない。レースとしては凡レースだったね。これは大いに批判されるべき事柄だろう。お行儀が良すぎる。逆に武豊が絶妙な仕掛けでロングスパートしたとも言えるね。
もう一点、直線で内のクイーンズリングが外へ、外のスワーヴリチャードが内へ刺さってしまったために、その中にいたトーセンビクトリー、サクラアンプルール、シュヴァルグランの3頭が大きな不利を受けた。だが、降着や失格はなし。これは制度がそうなっているから。被害の程度よりも着順に影響があったかどうかというのを採決委員が判断し決定を下す。3年ほど前に海外の競馬先進国の基準に添ったものに変わった。そこでこの不利があったとしても着順には影響なかったという判断が出たんだろう。これについてはなんの文句もないし、勝負事である以上チャンスがあるなら多少のラフプレーもあってしかるべきであり、加害馬鞍上のルメールやデムーロは全力でやった結果だと思う。
■来年に向けて
今年の年度代表馬はG1を4勝のキタサンブラック以外にない。むしろ他に票を入れている記者がいたら、即刻競馬記者をやめるべきだ。アホとしかいいようがない。ずっと主役を張ってきた馬が抜けるわけだが、この空いた空間を埋めるような馬がちょっと見当たらないのが残念である。
現3歳勢では、ジャパンカップ2着のレイデオロは今年たった4走しかしていない上、菊花賞を走っていないので当然天皇賞春には出ないだろう。同世代のダービー2着スワーヴリチャードやダービー3着のアドミラブルは相当素質は高いと思うが、残念ならがまだG1を勝っていない。スワーヴリチャードは内枠に入った時が勝負だな。アドミラブルは故障明けで、ダービーで見せた異次元の末脚をまだ失っていないか復帰緒戦が注目である。牝馬はというとソウルスターリングが秋3戦すべて期待外れだったし、あとはモズクがどうなるかだが荷が重そう。かつてのジェンティルドンナのような期待馬はいない。
現古馬勢はというと、キタサンブラックに勝利したことのあるシュヴァルグラン、サトノクラウン、サトノダイヤモンドあたりになるのか。どれもやはり主役がいてこそ輝ける脇役という感じ。唯一サトノダイヤモンドなや再び輝きを取り戻して主役にと思わなくもないが、海外にいったツケはどうなのか、来年初戦の大阪杯を見てみないとわからない。昨年のダービー馬マカヒキは故障で論外。
というところで来年は群雄割拠か、あるいはサトノダイヤモンドが複数勝つかという予想である。当たり前かもしれないが、例年以上にそれぞれの春緒戦が注目されそうだ。
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